普段何気なく見ているウェブサイト。その裏側では、あなたのパソコンやスマートフォンと、ウェブサイトのサーバーが「HTTP通信」という方法で情報をやり取りしています。
なんだか難しそうに聞こえますか?大丈夫!この記事では、HTTP通信の仕組みを初心者の方にもわかりやすく解説します。HTTP通信を知ることで、インターネットの仕組みがグッと身近に感じられるはずです。
HTTP通信とは?(初心者向け解説)
HTTPとは、Hypertext Transfer Protocol(ハイパーテキスト・トランスファー・プロトコル)の略で、ウェブサイトの情報をやり取りするための共通のルール(約束事)です。
例えるなら、人と人が会話をするときに使う「日本語」や「英語」のような言語のようなものです。
私たちがウェブブラウザ(ChromeやSafariなど)を使ってウェブサイトを見ようとするとき、ブラウザはHTTPという言葉を使って、ウェブサイトのサーバーに「このページを見せてください」とお願い(リクエスト)を送ります。
そして、サーバーはHTTPを使って、ウェブページのデータ(テキスト、画像、動画など)を私たちのブラウザに送り返してくれます(レスポンス)。この一連の流れがHTTP通信です。
つまり、HTTP通信は、ウェブブラウザとウェブサーバーが情報をスムーズにやり取りするための、なくてはならない仕組みなのです。
HTTP通信の仕組み:リクエストとレスポンス
HTTP通信は、主に「リクエスト」と「レスポンス」という2つの段階で成り立っています。
リクエスト(要求)
私たちがウェブブラウザにURL(ウェブサイトのアドレス)を入力してエンターキーを押したり、ウェブページ上のリンクをクリックしたりすると、私たちのブラウザはウェブサーバーに対してリクエストを送信します。
このリクエストには、「どのウェブサイトのどの情報が欲しいのか」という情報が含まれています。
例えば、「https://www.example.com/index.html」というURLにアクセスする場合、ブラウザは「www.example.com」というサーバーに対して、「/index.html」というファイル(ウェブページ)を要求するリクエストを送ります。
レスポンス(応答)
ウェブサーバーは、受け取ったリクエストに基づいて、要求された情報(ウェブページのデータ)を探し出し、私たちのブラウザにレスポンスとして送り返します。
このレスポンスには、要求されたウェブページのデータ本体だけでなく、サーバーからの応答を示す情報(HTTPステータスコードなど)も含まれています。
私たちのブラウザは、受け取ったレスポンスに含まれるデータ(HTML、CSS、JavaScriptなど)を解析し、私たちが普段見ているようなウェブページとして表示してくれるのです。
このように、HTTP通信は、私たちの「見たい」という要求(リクエスト)に対して、ウェブサーバーが「はい、どうぞ」と情報を提供する(レスポンス)という、シンプルなやり取りによって成り立っています。
HTTPメソッドの種類:Webサイトでの役割
HTTPには、様々な種類のリクエスト方法(メソッド)があります。代表的なものをいくつか紹介しましょう。
- GET: ウェブサーバーから情報を取得したいときに使われます。ウェブサイトを閲覧する際の基本的なリクエストです。例えば、ウェブページのHTMLファイルや画像ファイルを取得する際に使われます。
- POST: ウェブサーバーに情報を送信したいときに使われます。例えば、ウェブサイトのフォームに入力した内容を送信したり、新しい記事を投稿したりする際に使われます。
- PUT: ウェブサーバー上の特定のリソースを更新したいときに使われます。
- DELETE: ウェブサーバー上の特定のリソースを削除したいときに使われます。
これらのメソッドを使い分けることで、ウェブブラウザはウェブサーバーに対して、どのような操作をしたいのかを正確に伝えることができます。
HTTPステータスコード:Webページの状況を把握する
ウェブサーバーからのレスポンスには、HTTPステータスコードという3桁の数字が含まれています。これは、リクエストに対するサーバーの応答結果を示すコードです。代表的なものをいくつか紹介します。
- 200 OK: リクエストが成功し、サーバーが要求通りの情報を返したことを示します。私たちがウェブページを正常に見ることができている状態です。
- 404 Not Found: サーバーがリクエストされたリソース(ファイルやページ)を見つけられなかったことを示します。「お探しのページは見つかりませんでした」というエラーメッセージが表示される場合、このステータスコードが返されています。
- 500 Internal Server Error: サーバー内部で何らかのエラーが発生し、リクエストを処理できなかったことを示します。
これらのステータスコードを知っておくと、ウェブサイトでエラーが発生した際に、何が原因で問題が起きているのかをある程度推測することができます。
HTTPSとは?安全な通信の実現
HTTP通信は非常に便利な仕組みですが、初期の状態では、やり取りされる情報が暗号化されていませんでした。つまり、悪意のある第三者に通信内容を盗み見られる可能性があるということです。
そこで登場したのがHTTPS(HTTP Secure)です。HTTPSは、HTTPにSSL/TLSという暗号化技術を組み合わせることで、ウェブブラウザとウェブサーバー間の通信を暗号化し、安全に行うことができるようにしたものです。
ウェブサイトのURLが「http://」ではなく「https://」で始まっている場合、そのウェブサイトとの通信はHTTPSによって暗号化されています。クレジットカード情報や個人情報など、重要な情報をやり取りする際には、HTTPSで保護されたウェブサイトを利用することが非常に重要です。
まとめ
今回の記事では、HTTP通信の基本的な仕組みについて解説しました。最後に、この記事の重要なポイントをまとめます。
- HTTP通信は、ウェブブラウザとウェブサーバーが情報をやり取りするための共通のルール(プロトコル)である。
- HTTP通信は、「リクエスト(要求)」と「レスポンス(応答)」という2つの段階で成り立っている。
- HTTPメソッドは、ウェブサーバーに対してどのような操作をしたいのかを伝えるための方法である(GET、POSTなど)。
- HTTPステータスコードは、リクエストに対するサーバーの応答結果を示すコードである(200 OK、404 Not Foundなど)。
- HTTPSは、HTTPに暗号化技術を組み合わせることで、より安全な通信を実現する。
HTTP通信は、私たちがインターネットを利用する上で、なくてはならない基本的な技術です。この記事を通して、HTTP通信の仕組みについて少しでも理解を深めていただけたら幸いです。
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